労働衛生コンサルタント試験合格体験記(その3)(2021年度労働衛生工学合格)

                  労働衛生コンサルタント(衛生工学)受験合格記
                                                                                                Asum会会員 Ma
1.受験の動機
 2007年から現在も務めています電気機械メーカーで、安全衛生事務局及び衛生管理者として安全衛生管理全般に携わってきました。それ以外にも、ISO事務局としてISO9001とISO14001の運営及び環境管理に携わってきました。
ただ、安全衛生事務局を始めたのは、前任者の突然の休業により、その時すでにISO事務局を行っていた自分に白羽の矢が立ち、始める事となりましたが、それまで安全衛生委員会に出席もしていなかった者に突然の任命、最初は安全衛生委員会を毎月開催する事が、法の義務である事も知らずに、事務局を始めました。
 休業中の前任者が衛生管理者でもあったため、ほどなく、衛生管理者試験も受け、衛生管理者も兼務する事となりました。このような経緯で安全衛生管理の仕事が始まったのですが、社内に指導者もなく、ひたすらインターネットで調べる事で、安全衛生管理の知識を増やし、現在に至っています。最初は苦労しましたが、法規の原文を読む習慣が最初から付いたのは、今にしてみれば良かったと考えています。

 そんなこんなで、安全衛生管理業務を10年位経験し50代となって、親会社の安全衛生管理者交流会で、某事業所のシニアの方が、安全コンサルタントと衛生コンサルタントの資格をとられたと聞き、それからこの資格に興味を持ったのが始まりです。その後、作業環境測定を委託している協会の会長が、やはり安全&衛生コンサルタント資格を持たれており、話を聞く中で、定年後も社会と関わる可能性を感じ、受験する事としました。

2.受験~合格の経緯
 当初から安全・衛生コンサルタント両方の取得を目指し、どちらから受けるかと考えた時、勤め先の衛生管理者だった事もあり、衛生コンサルタントから先に受ける事としました、次に保健衛生と衛生工学のどちらで受けるか、過去問を取り寄せて問題をながめ、衛生工学の局所排気装置の計算問題を解けるようになるのは、時間が掛かりそうと安易に考え、保健衛生で2019年初めて受験しましが、正味1ヶ月ほどの勉強では筆記試験で不合格。
 2020年は受験科目を衛生工学に変更し、勉強も盆休み頃から始め、結果筆記試験はギリギリ合格、口述試験対策は筆記試験合格通知後から始め、試験もそこそこ手応えを感じ、合格を期待していましたが不合格。
 この時はかなり落ち込み、2021年は、一旦安全コンサルタント(機械)の試験を目指そうか、そもそもコンサルタントとしての資質が自分には無いのではなど、かなり悩みました。でも当初から家族にも3年チャレンジさせてほしいと申し入れていたので、2021年も衛生工学で受験しました。
 今回も試験勉強は盆休みから始め、本腰を入れたのは試験1ヶ月前から、ひたすら過去問を解いて試験を受けましたが手応えが微妙でした。でも結果は無事筆記試験合格、ここから口述試験の勉強を始めましたが、どうすれば良いか悩み、安診協の模擬面接に申込み、大変ためになるアドバイスを頂き、3年目にしてやっと合格出来ました。


3.筆記試験対策
 手始めに、コンサルタント会発行の過去問を4冊8年分、最終的には5冊10年分を購入し、勉強せずに過去問から「衛生一般」と「衛生法令」マークシート問題を2年分解いてみました。正解率は一般30% 法令20%程度で全然だめでした。
「衛生工学」の記述問題は、当初から解ける訳がないのは判っていたので、古い過去問の回答欄をそのまま読んで電卓をたたいて勉強しました。これでだいたい合格ライン60%以上を、一般70%以上、法令60%以上、衛生工学50%以上でクリアする目標をたてて、勉強を本格的に始めました。
 特に衛生工学は出題4問から2問選択しますが、毎年局所排気装置の表計算問題は1問出題されるので、これに山を張り、あとは振動問題と騒音問題の計算問題は解ける程度で、論述問題は切り捨て、これで50%+αは得点できるはずと考えました。
 一方、衛生一般と衛生法令のマークシート問題は、過去問を解いては回答欄を読み込み、さらに「労働衛生のしおり」を参考書に勉強しました、またエクセルでマークシート表と、局所排気装置の計算表の解答用紙を作成し、勉強の効率化を図りました。

 ※なお会社の業務上の受験ではないので、これらすべて自費及び自宅で行っています。
そうこうしているうちに、過去問で合格ラインに達したのは、試験1週間前位と記憶しています。
 特に苦労したのは、局所排気装置の表計算問題、有効3桁とか、4桁目を四捨五入とか、途中計算は有効4桁で回答は3桁とか、表現が毎年ころころ変わり、また回答欄の計算方法も模範回答を作られる先生により、計算順序が異なったりして、回答の最終桁の数字が微妙に自分の解答と異なったりして、かなり悩みました。また電卓をたたいて一気に計算すると、計算途中の有効桁を無視して計算してしまい、最終回答の末尾の数字が異なってきます。(その分精度は高いのですが)
そんな中、回答欄に明らかな数字の引用ミスが見受けられ、コンサルタント会に問い合わせたりする中で、「表計算問題は、計算の仕方が合っていれば、末尾の数字が多少異なっていても問題ない、と試験協会から聞いています」と情報を得て、少し安心した事を覚えています。

4.口述試験対策
 2年連続、筆記試験合格後から勉強を始めましたが、参考書としてアマゾンの電子書籍「労働衛生コンサルタント口述試験−スライドイメージで覚えるまとめ」を購入し、これと「労働衛生のしおり」を参考書に勉強しました。
 2020年度は、普段から業務で関わっている事なので、ある程度アドリブでいけるかと考え、実際の試験もある程度答えることが出来、自分としては手応えがでてきました。合格発表前に次の労働安全コンサルタント試験を見据えて、安診協にメール連絡を行い、2021年3月の勉強会に参加させて頂きました。その後見事に口述試験不合格になり、それからは勉強会に行きづらくなり、そのまま2021年を過ごしていましたが、2回目の口述試験に臨むにあたり、藁にもすがる思いで安診協に連絡して、模擬試験を受けさせて頂きました。
 その時のO先生の「いかに自分が今までやって来たことをアピールし、引き込むかが大事」と、「試験官は試験で知り得た内容に対する守秘義務がある」とのことばで目が覚めた思いでした。1年目は現在勤めている会社の情報をどこまで口外して良いか悩み、終始受け身の姿勢で受け答えしましたが、2年目は自分から積極的に今までやって来たことを説明する事が出来ました。その結果は無事合格、模擬試験は大変有益な経験になりました。


5.口述試験内容
 2020年度 衛生工学 口述試験 2021/1/19 大阪会場
・受験番号 氏名 試験区分
・衛生管理実務経験
・実際に行った衛生改善事例
・労働衛生改善の種類と優先順位
・呼吸用保護具の種類と説明
・防毒マスクの種類
・防じんマスクの種類と性能
・衛生的改善に金が掛かると経営者に渋られた時にどう言って説得しますか
・有機溶剤管理区分Ⅰの現場で、健康診断の異常者が出た場合の原因は
・化学物質リスクアセスメントの進め方について説明

 2021年度 衛生工学 口述試験 2022/1/13 大阪会場
・受験番号 氏名 試験区分
・衛生管理実務経験年数
・実際に行っている業務内容について
・衛生管理者として、工場内の巡視等はどうしていますか
・その巡視で不具合とかありましたか
・健康診断の結果とかは見ていますか
・実際に行った衛生改善事例
・振動工具の管理方法と振動工具の種類
・石綿除去工事をする上での決まり事
・「有機溶剤管理区分Ⅰの現場で、健康診断の異常者が出た」と連絡を受けて、
  その工場へ向かう段階(現場を見る前の段階)で考えられる原因は
・化学物質リスクアセスメントの進め方について説明
・コンサルタントとして外部の工場に訪れた際に、作業者が防毒マスクを付けていなかった時にどのように指導しますか

6.今後の抱負
 今回労働衛生コンサルタント試験に合格しましたので、2022年度は、当初予定通り、労働安全コンサルタント(機械)を受験します。 実際にコンサルタントとして活動するのは会社定年後と決めており、残り約2年の間に安全コンサルタント資格も習得するつもりです。その後は、各種トレーナー資格の取得といった自分への初期投資を行いつつ、先輩コンサルタントの方々にご指導を頂き、経験を積んでいきたいと考えています。
 最後に、各種アドバイスを頂きました、O 先生、その他先輩コンサルタントの先生方には、大変お世話になりました。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
                                                                                        
                                              以上