労働安全コンサルタント試験合格体験記(その6)(2021年度 土木安全合格)

               労働安全コンサルタント試験合格体験記
                  (2021年度 電気安全合格)
                                 Asum会員 Mu

1.受験動機
 遡ること35年ほど前、私は工業高校に通っている頃から、父親が経営する電気工事会社でアルバイトをするなど、電気関連の仕事にはかなりの期間携わってきました。若かりし頃は、あまり手順を考えずに作業を行い、感電事故や短絡事故なんかは、しょっちゅう起こしていて危険作業があたりまえとなっていました。今考えると大ケガや大事故にならずに本当に良かったと思っています。
平成4年に入社した会社は、専ら電気通信に特化した業態であり、安全の意識レベルは、電気工事は経済産業省管轄の「電気工事士」を持っていれば、何ら問題ないと本気で思うほど無知で、労働安全の知識を全く持ち合わせていない、本当に恥ずかしい会社でした。
時が過ぎ、親会社の改編で現会社に転籍し、危険作業に従事するためには、厚生労働省管轄の安全衛生教育や特別教育を受けることを、法律で決められていることをようやく理解したのです。
それから9年の時が過ぎ、事業所の所長として現場に戻ることなりました。所員の安全衛生教育や特別教育の受講状況を確認すると、受講できていない教育があることがわかりました。時を経てもあまり現場の安全意識が変わっていないことも分かりました。これではダメだと思い、会社から研修予算と研修時間を確保し、必要な安全衛生教育や特別教育を残らず、全所員に受けさせるように指導してまいりました。
私もプレーヤーとしての教育を受けることは勿論ですが、自らが講師となり所員を教育するためのインストラクター講習や安全意識向上セミナーなどにも参加し、教えるスキルを向上させていきました。また、工事現場の安全パトロールを頻繁に実施し、所員と一緒に反省と改善を繰り返した結果、3年ほど経つと災害防止協議会も他社並みになり、施工前検討会(リスクアセスメント)もかなり充実した積極的な活動となり、安全衛生への取り組みは断然良くなったと実感しております。
自分のスキルを高めるために参加したいくつかの勉強会で名刺を交換させて頂くと、名刺に「労働安全コンサルタント」と記載された方がおられました。とても気になり労働安全コンサルタントがどんな資格であるのかを詳しく調べて、初めて安全の専門家であることを理解し、自分自身も安全を勉強した集大成として、労働安全コンサルタント資格にチャレンジしようと考えるようになりました。

2.筆記試験
 受験するにあたり、日本労働安全衛生コンサルタント協会が発行する「試験合格への手引き」を過去問を6年分購入し、受験対策を検討しました。私は運良く前年度に技術士(電気電子部門)を取得したので、筆記試験は「産業安全一般」と「産業安全関係法令」の2科目の受験となりました。どちらとも択一式ですので、勉強方法としては、過去問を何度もひたすら解くアウトプット中心の勉強を行いました。期間は概ね3か月間くらいだったと思います。結果は、「産業安全一般」は23/30問(76点)、「産業安全関係法令」は9/15問(60点)で筆記試験をギリギリで合格しました。

3.口述試験
 口述試験の対策としては、想定問答をインターネットや「試験合格への手引き」の受験体験を参考に整理して、自分なりの回答を想定して繰り返し口頭回答する訓練を行いました。この訓練には、スマホで使える「かるた読み上げくん」というアプリを使うことで、想定問題の音声で録音し、ランダムに読み上げる機能を使い直ぐに回答する、1ターン30分の”ぼっち訓練”を何度も繰り返し行いました。(ちなみに、「かるた読み上げくん」のアプリのネット上での評価は全然良くありません。お使いの場合は、自己責任でお願いします。)
 令和4年の年明け早々に行って頂いた、安診協での模擬口述試験では、真ともな回答がほとんど出来なくて散々な結果でした。反省としては、想定問題の数・種類が足りていないことが原因だと分析しました。急遽、「安全のしおり」から機械分野の内容や、静電気、防爆構造、最新の労働安全衛生法の改正情報などを増やして、その後も「かるた読み上げくん」を使いひたすら”ぼっち特訓”を続けました。試験直前は2泊3日のホテル籠りを行い、夜ごはんを食べに出かける時間以外は、ホテルの鏡に向かって自分の姿を確認しながら、ひたすらブツブツと”ぼっち特訓”を受験直前まで行っておりました。
 受験1時間前になり、いざ出陣です。「エルおおさか」まで15分のホテルに籠っていたので、試験会場の待ち合わせ部屋で40分ほど待機しました。その間も声を出さないように頭の中で、受験動機などの必須事項を復唱し、最後まで諦めずあがいてました。
 なお、思い出せる範囲ですが、当日の口述試験の質問は以下のとおりです。
  ・受験動機を教えてください
  ・会社では、どんな業務に従事していますか
  ・これからコンサルタントを行うにあたり、安全にお金を掛けられない事業者には、どのようなアドバイスをしますか
  ・5Sやリスクアセスメントは、実際継続しづらいですが、どうアドバイスしますか
  ・感電して危険な電流値はどれくらいですか
  ・あなたの携わった労働災害にはどんなことがありましたか
  ・ケガの程度はどのような状態でしたか
  ・一般的に電気事故にはどんなものが考えられますか
  ・電気事故を防ぐにはどんな対策がありますか
  ・外国人労働者を教育するときに気を付けることは何ですか
  ・第13次労働災害防止計画で、死亡者若しくは死傷者の状況はどのようになっていますか
  ・努めている会社で、労働安全衛生マネジメントシステムは導入されていますか
  ・労働安全衛生マネジメントシステムとリスクマネジメントは何がどう違いますか
 そして、試験官のキラーワードとして、回答した後に「それだけですか」と、ほぼ毎回言われました。試験官の口癖なのかも知れませんが、この言葉を聞き「何か付け加えないといけない」と、何度もパニックになり、頭の中で「何を答えてるんや」と思いながら支離滅裂な回答となり、終盤では試験官に笑みはなく、敗戦濃厚な状態(イメージ)で試験会場を後にしました。試験時間を確認すると25分もかかっていましたので、本当に試験に落ちたと思っており、うな垂れて家路についたと記憶しております。

4.結果発表と今後の決意
 合格発表の日に、戒めのつもりで試験に落ちたことをしっかりと受け止めて、次回への挑戦への励みにしようという気持ちで試験結果を確認したところ、なんと「合格」でした。勤務時間中であるにも拘らず、思わず「うそーっ、なんでー」と大声で叫んでしまいました。
正直、納得感がない状態での合格でしたので、点数はギリギリでの合格点だったと思います。これからの伸びシロを期待されての合格だと思っております。それでも、安全の専門家にならせて頂いたのですから、労働安全コンサルタントの名に恥じぬよう、諸先輩方の顔に泥を塗ることのないよう、奢ることなく背負っていく義務と責任をしっかりと理解し、継続研鑽に努めて、安全技術を高め、社会の労働安全に役立てるように精いっぱい頑張ってまいりたいと考えております。
 諸先輩の皆様、これからもぜひ厳しくご指導を頂きますよう宜しくお願い致します。

                                       以上