労働安全コンサルタント試験合格体験記 (その1)(2019年度 機械安全合格)

         労働安全コンサルタント試験合格体験記
          (2019年度 機械安全合格)
 

             一般社団法人 安全診断技術者協会 会員Tu 

1.受験の動機
 2008 年から OA 機器のメーカーで安全衛⽣の仕事に携わるようになりました。 その際、最初に仕事を教えてくれた⽅が労働安全コンサルタントと労働衛⽣コンサルタ ントの資格を持っておられ、的確に仕事をこなされていました。その時は、将来⾃分もこのように専⾨性を向上させて、労働安全コンサルタントになれればいいなと漠然と思ってい ました。
 それから数年を経て、安全衛⽣関連のいろいろな資格も取り、徐々に知識も増えていきま した。
 2013 年に安全衛⽣の実務経験が 5 年を超えました。理系の⼤学を卒業しているので、労 働安全コンサルタントおよび労働衛⽣コンサルタントの受験資格を得たことになります。 それからの受験遍歴は後述します。
 2015 年に転職をし、築炉施⼯会社に⼊社しました。そこでも安全衛⽣関係の仕事をしています。しかし、OA 機器メーカーでの安全衛⽣経験は、この業界(主に建設⼯事)では、 ほとんど通⽤しませんでした。ここでも苦労をしましたが、この経験で得た知識が、後に⼤きく役⽴ったと思います。
 2017 年の 2 ⽉に⾃⼰啓発のため兵庫県のRSTトレーナー会に⼊会しました。そこには、 5~6名、労働安全コンサルタントの先⽣⽅が所属されていました。その⽅たちは、それぞれに⽴派な活動をされていました。
 その姿を⾒て、⾃分も労働安全コンサルタントになりたい、社会の役に⽴ちたいという気持ちが⼤きくなり、改めて本格的に労働安全コンサルタントを⽬指すこととしました。 

2.受験の経緯
 2013 年に労働衛⽣コンサルタント(衛⽣⼯学)を受験しました。その時は、労働衛⽣⼀ 般、労働衛⽣関係法令、労働衛⽣⼯学という試験科⽬に、質も量も圧倒され不合格でした。
 そこで科⽬免除を狙い、2014 年に第 2 種作業環境測定⼠を受験し、運よく合格しました。
 2015 年に労働衛⽣コンサルタントを労働衛⽣⼀般・労働衛⽣関係法令の科⽬免除で申請しました。しかし転職活動の忙しさから、あまり勉強ができませんでした。後学のため、ダ メもとで受験しようかとも考えましたが、試験⽇の翌⽇が新しい会社の⼊社⽇であり、その準備もあったため、結局棄権しました。
 2016 年に建設⼯事現場で安全管理活動を⾏っているうちに、衛⽣よりも安全の専⾨性を 磨くべきと思うようになりました。そして、労働安全コンサルタント(機械安全)を受験することとしました。しかし、予想以上に⼯期が伸び、試験⽇に出張先から帰って来られなくなり、また棄権してしまいました。
 専⾨科⽬を機械安全にした理由は、OA 機器メーカー在籍時に、機械の設備本質安全化のプロジェクトで活動をしていたことから、馴染みがあったからです。
 棄権が 2 年も続いたこともあり、すこしやる気が薄れ、2017 年は受験申請をしませんでした。 しかし、前述したように労働安全コンサルタントの先⽣⽅の活動を拝⾒し、労働安全コンサルタントを⽬指す気持ちが⼤きくなり、2018 年改めて受験申請をしました。この年は、 勉強量が少なかった割には善戦できたかなと思っています。
 そして 2019 年、⻑期出張で現場に出ていた中、締め切り最終⽇に受験申請をしました。 しかしあまり勉強できませんでした。試験のほぼ 1 か⽉前に⾃宅に戻ってきましたが、勉強量は少ないままでした。特に専⾨科⽬は何もできていませんでした。試験前⽇まで受験か棄権か悩んでいたのですが、⽟砕覚悟で受けることとしました。
 結果は、いい問題に当たったようで、筆記試験に合格することができました。 このような幸運を逃してはいけないと思い、⼝述試験は真剣に取り組みました。合格体験記やHP、諸先輩のお話を伺い、約 80 問の想定問答集を作成し、取り組みました。
 結果は、運よく合格することができました。 

3.筆記試験のために勉強した内容
 2016 年は、『新しい時代の安全管理のすべて』を読んでいきました。しかしすべて読破するまでには⾄りませんでした。
 2018 年は、過去問題中⼼に勉強しようと考え、テクノリアライズ社の書籍を 2 冊(『重要 ポイント&練習問題』と『過去問題集』)購⼊しました。 これを⼀通り終え、試験に臨みました。結果は、産業安全⼀般が 16/30、産業安全関係法 令が 6/15 でした。⼀応、⾜切りラインは超えていましたが、機械安全で 77%以上取る必要がありました。結局、そこまでの得点は取れなかったため、不合格でした。  2019 年は、出張先で建設⼯事の安全管理に従事していました。朝の 6 時半から 20 時半 まで現場や詰所にいたため、ほとんど何もできませんでした。しかし、毎⽇の仕事が勉強になっていたのかも知れません。各種特別教育の講師準備や、安全パトロールなどで、産業安 全⼀般や、産業安全関係法令の知識が増えていったのだと思います。  ⾃⼰採点では、産業安全⼀般が 23/30、産業安全関係法令が 7/15 でした。今度は、機械安全で 50%とれば合格ラインを超えるレベルになりました。そして、機械安全の計算問題が私にとっては平易でした。計算式が記載してあり、特に専⾨知識がなくても解ける問題だったので、合格点が取れたのだと思います。

4.筆記試験の勉強⽅法案(反省から)
 1)産業安全⼀般
 ・ 「新しい時代の安全管理のすべて」の読破
 ・ 最近の⾏政の動向を知るため「安全の指標」の読破
 ・ 過去問題を解く。
  テクノリアライズ社の書籍は単元ごとにまとめてあるので、勉強しやすい。
 ・ 「試験受験準備講習会」(コンサルタント会主催)の受講
 2)産業安全関係法令
 ・ 過去問題を解く。
  テクノリアライズ社の書籍は単元ごとにまとめてあるので、勉強しやすい。
 ・ 「試験受験準備講習会」(コンサルタント会主催)の受講
 3)機械安全
 ・ 説明問題に関して:「新しい時代の安全管理のすべて」、「安全の指標」の読破
 ・ 計算問題に関して:過去問から傾向をつかみ、専⾨書で勉強する。

5.⼝述試験対策
 筆記試験の⾃⼰採点が終わった時から、ひょっとしたら合格しているかもしれないと思い、想定問答集を作り始めました。
 12 ⽉ 19 ⽇に筆記試験の合格が判明し、本格的に対策を始めました。
  ① 想定問答集の精査と検討
  ② 先輩コンサルタントの先⽣からの情報収集
  ③ HP からの情報収集 等
 特に有益だったのは、②の先輩コンサルタントの先⽣からの情報収集です。
 前述した、2008 年に最初に安全関係の仕事を教えてもらった元上司のS先⽣は、今は⽇本労働安全衛⽣コンサルタント会の副会⻑をしておられます。その⽅から、コンサルタント 受験に関するレポートをいただきました。
 また、RST トレーナー会の先輩である O 先⽣には、⼤変お世話になりました。 O 先⽣が安全教育で使⽤している資料を⾒せていただき、⽇本の安全の歴史、世界の中 の現状、安全に関する考え⽅などについて、安全の基礎的な部分を教えていただきました。 また、⾯接に関するポイントや助⾔を記載した、レポートをいただきました。
 さらにコンサルタントの先⽣⽅が集まる勉強会(
Asum
)に参加させていただいたのですが、これが⾮常に有意義でした。
 Asum の中で模擬⾯接をしていただきましたが、まったくダメでした。緊張している上に、 うろ覚えの知識を羅列しているだけだったと記憶しています。あのまま、受験していれば、 おそらく不合格だったと思います。その後、諸先⽣に様々な助⾔をいただきました。その中 で⼀番⼼に響いたのは、O 先⽣からいただいた次の⾔葉です。
 『テキストに書いてあるようなことをしゃべっても仕⽅がない。あなたが経験してきたことや、考えていることを述べればよい。』
 その⾔葉は、まさに⽬から鱗でした。 それまで、模範解答にテキスト通りの⾔葉を並べ、それを暗記していたのですが、それはやめて、⾃分の経験を語ることとしました。
 改めて考えてみますと、⾃分のセールスポイントは、以下になります。
 ① 安全専⾨の業務を 11 年⾏っている
 ② メーカーの安全管理を経験しており、マネジメントや診断する側の⽴場がわかる
 ③ 建設⼯事業の安全管理を経験しており、現場の状況や実態がわかる
 安全経験の質問があれば、これらを詳しく説明しようと考えました。
 また、災害事例の質問があれば、単発の案件ではなく、数件発⽣した内容を分析検討し、対策改善した事例を話すこととしました。

6.⼝述試験
 1⽉ 15 ⽇、予定時間の 30 分前には受付を済ませるようにとの指⽰でしたが、1 時間ほど 前に着きました。⼤部屋で待機していましたが、隣の⼈はかなり早く来ていたようでした。 私の 1 時間ほど前に来ていたそうで、それなのに受験時刻は私より後でした。あの部屋に 3 時間近くいることになります。緊張感が持続できるのか⼼配になりました。
 2 時 15 分に試験が始まりました。試験官は 3 名です。
 最初に安全関係の経歴を聞かれました。さらに、『経験した災害事例を説明してください』 との質問でした。これらは想定した通りでしたので、的確に答えることができたと思います。
 前半の導⼊部分をうまく運べたことにより、中盤から後半が⾮常に楽になりました。
 中盤には、O 先⽣からの助⾔『「安全の指標」の中の機械設備の安全化については、何を聞かれても答えられるよう熟読しておくこと』が当たり、『機械包括安全指針でうたわれて いる、メーカー側の安全化の⼿順は?』という質問がありました。この質問を難なく答えた ことで、かなり⼿ごたえを感じました。あとは、時間稼ぎのような質問が続き、13 分ほど で⼝述試験が終わりました。 ⼝述試験の質問項⽬を以下に列挙します。
(以下は⽂語調ですが、実際は丁寧語で質問されます。)
 ① 安全に関する経歴は?
 ② 経験した災害は?
 ③ その対応は?
 ④ 労働安全コンサルタントは、他⼈から報酬を得て指導に⾏くが、その際の留意事項は?
 ⑤ 労働安全コンサルタントとして守らなければならないことは?
 ⑥ 機械包括安全指針でうたわれている、メーカー側の安全化の⼿順は?
 ⑦ 天井クレーンで⽟掛け作業を⾏う場合の安全対策は?
 ⑧ AI やプログラムを使った機械安全について知っているか?
 ⑨ プレス機械の安全対策は?
 ⑩ フェールセーフとは?
 ⑪ フールプルーフとは?
 ⑫ 天井クレーンを導⼊したいと経営者に⾔われたらどう指導するか?
 ⑬ ⾼齢者の災害防⽌対策として留意することは?

7.結果
 合格発表までは、⾮常に⻑く感じました。 3 ⽉ 23 ⽇ 10 時の発表でしたが、官報が 9 時に出ましたので、そこで⾃分の番号を確認しました。そして 10 時に厚⽣労働省のHPで合格を確認しました。

8.今後の抱負
 労働安全コンサルタント試験には合格しました。しかしコンサルタントとしては、まだま だ半⼈前だと思います。 これからは、先輩コンサルタントの⽅々のお⼿伝いをしながら、経験を積んでいきたいと 思います。 また、他の関連資格にもチャレンジし、業務の幅を広げていきたいと考えています。

9.最後に
 助⾔いただいた、O 先⽣、S先⽣、その他先輩コンサルタントの先⽣⽅には、⼤変お世話 になりました。深く御礼申し上げます。
                      
                       以上 
                                           
一般社団法人 安全診断技術者協会 会員